フリーランスWebデザイナーが5年後も生き残るための心得10

2018.02.12 2018.03.26フリーランス
フリーランスWebデザイナーが5年後も生き残るための心得10

今でこそWebディレクションとプログラミングが主な守備範囲ですが、フリーランスになりたての頃、僕はWebデザイナーとして仕事をしていました。

独立当初と今では考え方も変わり、またここ数年でデザインを発注する側へと立場も変わりつつあります。

今回は、僕がこれまでWebデザイナーとして働いてきた経験や、ディレクターまたはプログラマー的な立場からデザイナーと関わってきた中で感じた、フリーランスWebデザイナーが5年後も生き残るための心得みたいなものをお伝えしたいと思います。

1.ウェブサイトは「作品」ではない

まずはじめに、ウェブサイトを自分の「作品」と捉えないというのが結構大事だと思います。

多くの場合、業者に依頼してまでウェブサイトを作りたいというクライアントは、ウェブサイトによって何かしらの成果を手に入れたいと考えています。

例えば受注増とか、Web上での露出を増やしてより広く認知されたいとかです。そういう場合には、作品性よりも販売の仕組み化やより効率よくPVを集めるための設計の方が重要になります。

また、ブランディングを目的とした場合にはデザインのクオリティも重要になってきますが、その際に必要になるのはデザイナーの個性を押し出すことではなく、クライアントの意図を的確に把握してデザインに落とし込む作業です。

そこでウェブサイトを自分の作品として捉え、自分の表現にこだわってしまうとクライアントやディレクターの意図と制作物との間にギャップが生まれてしまいます。

まず案件ごとに、そのウェブサイトの役割やクライアントの目的を把握し、必要であれば自身のクリエイティブを引っ込める判断ができると「声が掛かりやすいWebデザイナー」になれるのではないかと思います。

2.デザインをカッコいい・ダサいで判断しない

経験上、業種によってはデザインが「ダサい」方が売れる場合もあります。

たとえばですが、高齢者介護施設のウェブサイトではスタイリッシュなデザインよりも手作り感のある親しみやすいデザインの方がユーザーも安心してくれるのではないでしょうか?

もちろん、自分なりのデザインの「カッコいい・ダサい」の基準はあってもいいと思います。

でも、ウェブサイトの果たすべき目的を二の次にして「カッコいいデザイン」に走ってしまうと、Webディレクターからすると「扱いづらいデザイナー」と認識されてしまいます。

また、カッコいいウェブサイトを納品すると、その瞬間はクライアントに喜んでもらえるかもしれません。でも肝心なのは、それを実際に運用して成果が出るかということ。

高いお金を払ってユーザーの反応が一向に取れなければ、クライアントはがっかりしてしまうでしょう。

いつでも「カッコいい」を目指すのではなく、ときにはあえて「外す」ことができると、案件の幅が広がります。

3.クリエイティブなだけではやっていけない

フリーランスのWebデザイナーは、クリエイティブなだけではやっていけません。

クリエイティブにひたむきで真摯なデザイナーさんほどありがちですが、いったん受注したら採算度外視で制作に取り組んでしまうことがあります。

しかしフリーランスである以上、自分の制作活動のビジネスとしての側面を忘れてはいけません。

採算度外視で全力投球したいなら、フリーランスではなく制作会社に雇われた方が活躍できますし、社長にもクライアントにも喜ばれるでしょう。

とはいえ、個人的な考えを言えば、クリエイターの採算を無視した態度こそがWeb業界の慢性的なブラック体質を招いている一因だと思っています。

成果を出した分のリターンが保証されている会社であればいいでしょうが、残念ながらそういう良心的な会社は多くありません。

また、予算にかかわらずできてくるものの品質が同じなら、高い報酬を支払ってくれたクライアントはどうなるでしょう?

「言わなければ分からない」と言えばそれまでですが、僕は採算度外視で制作にあたってしまう方が不誠実ではないかと思います。

予算と品質のバランスを見ながら落としどころを見つけるという姿勢は、フリーランスのWebデザイナーには必要です。

4.信用は金で買えない

わざわざ書くことでもないかもしれませんが、一度請けた案件を途中で放り投げることはしないようにしましょう。

そんなことをしてしまえば、これまで築いてきた信用を一気に失ってしまいます。一度失った信用は、いくらお金を払っても取り戻すことはできません。

そのためにも、受注の段階で「ここまではやる」「これから先は別途見積もり」などの線引きをして、クライアントやディレクターと確認しておく必要があります。

ただ、事前にそうした取り決めをしたにもかかわらず、対応範囲外の作業を無理強いされるケースもあります。

そういう場合にはなぁなぁにせず、料金やスケジュールなどの交渉をするようにしましょう。「取るべきところはしっかり取る」という姿勢は、長い目で見れば信用につながりますし、何よりフリーランスとしての自分を守ることにもつながります。

そういう金銭面での交渉を避けていると、早い話、なめられてしまうのです。なめられるということは、つまり対等な関係ではないということで、対等な関係でないところに信用は生まれません。

僕がデザインやプログラムを発注する立場でも、費用や対応範囲を明確にしてくれた方が安心して進められます。利益が出ないような金額で発注するのは心苦しいですし、何より成果物の品質にも影響してきますので。

5.「身体が資本」はホントその通り

クリエイティブ系の仕事をする人の中には、一日中屋内にこもって作業するという生活を送っている人が多いです。

でも、フリーランスが身体を壊して働けなくなれば、そこで収入が途絶えてしまいます。体力のある若いうちはピンと来ないかもしれませんが、元気なうちから体調管理や生活習慣の改善は常に意識しておきましょう。

特に家族を養っている場合には、文字通りあなたの身体に家族の生活がかかっています。無理をせず、休めるときは休む。売上を追いすぎて健康をないがしろにすることがないよう気を付けてほしいと思います。

僕の実感でも、能力のあるWebデザイナーさんほど毎朝散歩したり、定期的に出かけたりして気分転換をするのがうまい印象があります。

また、デザインというアウトプットをするためには、インプットをすることも重要です。街に出ていろいろなものに触れて刺激を受ける方が、PCに向き合っているよりも成果が出やすいということもあります。

6.他人と関わる機会を積極的に持つ

フリーランスとして仕事が軌道に乗ってくるほど、仕事ばかりで引きこもりがちになってしまいます。

僕自身もそうでしたが、そうなると孤独感というか、社会に取り残されている感覚が大きくなってきます。

Webデザイナーという仕事柄、人と会う機会が少なくなりやすいと思いますが、だからこそ積極的に他人と会う機会を持つようにしましょう。

人間関係が固定されてしまうと、どうしてもインプットが少なくなります。そうなるとデザインも独りよがりのものになりがちです。また、人と会うことで新しい仕事につながったり、新しい考え方に出会えたりということもあります。

会って嫌な気持ちになる人に無理に会う必要はありませんが、「会うか迷ったらとりあえず会ってみる」くらいのフットワークはあってもいいと思います。

7.専門性を高めつつスキルの底上げを

自分の得意分野を掘り下げるのも重要ですが、フリーランスであれば全体的なスキルの底上げも忘れずにやっておくことをおすすめします。

ある案件の特定の範囲を担当するより、受注から納品までワンストップで携われた方が報酬も高いですし、実績にもつながりやすいです。

でも、「プログラミングは苦手」「WordPressは触れない」などと敬遠していると、せっかくのチャンスを取り逃がすことになります。

ただ、得意分野のみで勝負する場合、苦手な作業に掛かる時間やストレスを軽減することはできるというメリットもあります。そうして同時に対応できる件数を増やした方が、結果的に売上がいい場合もあります。

どちらの場合でも対応できるよう「オールマイティかつ得意分野のある」Webデザイナーを目指してほしいと思います。

8.単価を上げる努力

営業経験がないデザイナーさんの場合はちょっと勇気がいるかもしれませんが、つねに「単価を上げる」努力は必要だと思います。

そのためには、自分のスキルを客観的に判断して、定期的に単価を見直す習慣をつけた方がいいでしょう。

僕のお世話になっているデザイナーさんやプログラマーさんでも、付き合いの始まった当初から単価が数倍になっている人もいます。

当然、依頼する内容もそれだけ難しかったり、納品物の質も高くなったりするわけですが、いい仕事にはいい報酬が支払われるのが本来の形だと思います。

また、単価を上げるのは突き詰めていけばクライアントのためにもなります。

利益のほとんど出ないような単価で仕事を続ければ、何か予期せぬ事態が起きたときに簡単に廃業に追い込まれます。そうなれば、あなたの人柄やデザインを気に入って定期的に依頼してくれていたクライアントに、これ以上サービスを提供できなくなってしまいます。

それに、クライアントの立場からしてみれば、また一からデザイナーを探して関係を構築するという時間・労力が発生することになります。

フリーランスとして長く活動するために、単価を上げる。これも、クライアントへのサービスを維持するために必要なことだと思います。

9.嫌な仕事を断る勇気

制作会社とフリーランスの大きな違いの一つとして、リソース(特に人的な)に限りがあることが挙げられます。

つまり、同時に対応できる案件数が制作会社に比べて多くないということです。だからこそ、嫌な仕事は断る勇気をもってほしいと思います。

キャパが限られているのに、それが嫌な仕事で満たされていては仕事が苦痛以外の何物でもなくなります。また、会社員として働いていれば同僚が手助けしてくれることもありますが、フリーランスの場合は自分一人に責任がのしかかります。

「やりたい」と思える仕事に力を注ぎ込むことで、自分のパフォーマンスも最大限発揮できますし、かかるストレスも大幅に軽減できます。

不思議なもので、仕事を選び始めると、だんだんとやりたい仕事・興味のある仕事の話が舞い込んでくるようになります。

僕自身の話で言えば、淡々と画像処理するような仕事は話自体はじめから来ませんし、魅力的なクライアントや能力の高いデザイナー、マーケターと仕事ができるようになりました。

また僕はお金が好きなので、(作業量のわりに)報酬が高い仕事にも魅力を感じます。どのような仕事を選ぶかは人それぞれですが、自分がストレスを感じずに働けるか、そのクライアントや仲間のために頑張ろうと思えるかというのは判断基準になるかと思います。

10.営業力より発信力

これまで、フリーランスとしてやっていくには営業力は必須だと言われてきました。しかし現在では、必ずしも営業力は必要ないのかもしれません。

Twitterなんかを見ていると、「人見知りで…」「営業は苦手で…」と言いつつ、ガシガシ仕事をしているデザイナーさんをよく見かけます。

そういう人に共通しているのは、ブログやSNSで自身の考えや他人の役に立つ情報を発信していること。

「営業」と聞くとどうしても「セールス」「売り込み」というイメージが先行して苦手意識のある人も多いと思いますが、情報発信していくことで「Webデザイナーとしての自分」の存在をアピールすることができます。

もちろん、ガンガン営業して仕事を獲っていく方が向いているという人もいると思います。でもいまいち積極的にセールスできないという人は、自分のメディアやSNSを使って発信力を身につけてもらえればと思います。

まとめ

偉そうに語ってきましたが、フリーランスとしてやっていく以上、デザイン以外の業務を避けて通ることはできません。

クライアントから「依頼したい」とか、ディレクターから「一緒に働きたい」と感じてもらうには、自分のクリエイティブな部分は大事にしつつも、ウェブサイトの「商品としての価値」を高めてくことが肝ではないかと思います。

多くの場合、ウェブサイトは「作品」ではなく「集客ツール」もしくは「販売装置」です。

そうした視点を持っておくことが、この先も長くフリーランスWebデザイナーとして生き残っていくために大事なのではないかと思います。

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柴田竹思

柴田竹思

日本&ベトナム二拠点生活中のWeb系フリーランス。最近は育児6:仕事4のバランスで生活してます。これでもかってくらい奥さんの尻に敷かれてる座布団系男子です。

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